不倫慰謝料請求で示談書を作成するメリット

文責:所長 弁護士 足立博之

最終更新日:2025年02月26日

1 示談書を作成するメリットはたくさんあります

 実務においては、不倫をした配偶者や不倫相手に対して不倫慰謝料の請求をし、交渉が成立した場合には必ず示談書を作成します。

 示談書には、主に不貞行為があったことを認める旨、支払い金額、支払い方法、金銭の支払い以外の取り決め事項、清算条項、示談日を記載します。

 なお、示談は法律用語では「和解」と呼ばれ、示談書も「和解書」や「合意書」という名称であることもあります。

 示談書を作成するメリットはとても多く、むしろ実務上は示談書の作成は必須であるといえます。

 主なメリットとしては、次のものが挙げられます。

 ①合意した内容を明確にすることができる

 ②訴訟を提起する際の証拠として使用できる

 ③執行認諾文言付き公正証書にすれば強制執行ができる

 以下、それぞれについて説明します。

2 合意した内容を明確にすることができる

 不倫慰謝料請求における示談の中核となるのは、いくらを、いつまでに、どのような方法で支払うかという部分です。

 これらの事項を客観的に確認できる形で残しておかないと、後日示談した内容について再度争うことになりかねません。

 例えば、不倫をされた側としては、示談金の支払いを円滑に受けられなくなる可能性が残ります。

 逆に不倫をした側としては、約束とおり支払ったにもかかわらず、さらなる支払いを求められてしまう可能性があります。

3 訴訟を提起する際の証拠にできる

 不倫をした側が示談した内容のとおりに支払いをしない場合、不倫をされた側は訴訟を提起して示談金の支払いを請求することになります。

 訴訟においては、示談をした事実を主張するとともに、証拠をもって証明する必要があります。

 この時の証拠として、示談書を用いることができます。

 訴訟によって勝訴判決を得ると、任意に示談金の支払いを受けられない場合には、判決を用いて強制執行をすることも可能となります。

4 強制執行執行認諾文言付き公正証書にすれば強制執行ができる

 当事者のみで作成した示談書は、3のとおり訴訟時の証拠として使用することはできますが、強制執行に用いることはできません。

 公証役場において、強制執行認諾文言付き公正証書で示談書を作成すると、訴訟を提起して判決を得なくても強制執行が可能となります。

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